CHAPTER 02 / 全10章
部屋の記録を、未来の自分に残す
大切なのは、相手を疑うことではなく、同じ事実を見られるようにすること。写真と記録が、記憶の食い違いを小さくします。
荷物を出す前と出した後に、全体・場所・細部の順で記録を残しましょう。
写真は「全体 → 場所 → 細部」の3段階で
傷の接写だけでは、どの部屋のどこか分かりません。部屋全体、傷のある壁や床、傷の接写をセットで撮ります。必要なら定規等で大きさを示し、明るい状態で撮影。動画は部屋を順に巡って位置関係を残すのに役立ちます。
- 玄関、廊下、各室の壁・床・天井、ドア、窓まわり
- 家具を動かした後の床や壁、収納内部、ベランダ
- キッチン、換気扇、浴室、トイレ、洗面台の清掃後の状態
- 備付けエアコン・給湯器などの外観、型番、動作状況
- 返す鍵・リモコン・付属品と、その数
搬出前の記録は、引っ越し作業でついた傷と以前からの傷を区別する助けになります。荷物を出した後、鍵を返す前にも撮影しましょう。記録のために設備を無理に動かす必要はありません。
入居時の記録と、一緒に保存する
入居時の写真・状態確認表・メール、修理を依頼した履歴と、退去時の写真を一つのフォルダーにまとめます。「寝室・窓側の壁」のように場所をそろえると比較しやすくなります。元の画像・動画は編集で上書きせず保存し、別の場所にもバックアップを。撮影日だけで全てが証明されるわけではないので、連絡履歴や確認表も組み合わせます。
当時のメール、修理依頼、物件の写真、家族とのやり取りなどを探し、いつ何を知っていたかを整理します。思い出せないことを断定せず、「入居時からあった記憶があるが、記録は確認中」と正確に伝えましょう。
普段の掃除と、修理の相談をする
ゴミの撤去、掃き掃除・拭き掃除、水まわり、換気扇等の通常の清掃をします。汚れを隠す塗装や壁紙の張替え、強い洗剤による無理な処置は、かえって状態を悪化させることがあります。補修が必要なら先に管理会社へ相談しましょう。
立会いまでに、確認方法をそろえる
日時、担当者、所要時間、必要書類、鍵の返却方法、電気・水道をいつ止めるかを確認します。設備確認に必要な場合もあるので、停止日を自己判断で早めすぎないようにします。立会いに参加できない場合は、代理人や別日、写真による確認などを事前に相談します。
国交省ガイドラインや国民生活センターも、入退去時に貸主側と一緒に状況を確認し、写真・メモを残すことを勧めています。記録は、借主にも貸主にも同じ事実を確かめる材料になります。国民生活センターの入退去時の助言 ↗
この章の根拠・公的資料
確認日:2026年9月25日。法律・ガイドライン・契約モデルを区別して参照しています。
- 法律民法|e-Gov法令検索 ↗
第415・416条(損害賠償)、第606・615条(修繕・通知)、第617・618条(解約)、第621条(原状回復)、第622条の2(敷金)。公式APIの現行本文と照合。
- ガイドライン原状回復をめぐるトラブルとガイドライン|国土交通省 ↗
公式掲載の再改訂版(2011年8月)。第1章・別表1、2(原因、範囲、経過年数)、別表4(精算明細例)を確認。法律ではなく一般的な基準。
- 公的な助言賃貸住宅の原状回復トラブルにご注意!|国民生活センター ↗
2026年2月17日公表。契約確認、入退去時の記録、修繕の連絡、請求に納得できない場合の確認と相談。