世界の宗教史 / 全5巻

第3巻

中世編

宗教世界の形成と拡大

古代末期〜中世を中心に全5章

仏教のアジアへの伝播、イスラム世界、中世の諸教会、日本の神仏習合。人と教えの移動から宗教世界の成り立ちを読む一冊。

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巻頭

宗教は、教えだけが一人で旅をするわけではありません。商人、僧、学者、巡礼者、軍隊、移住者が移動し、その先の人びとが受け入れることで広がります。翻訳、寺院や教会の建設、支配者の支援は、新しい土地に信仰が根づく条件になりました。

本巻では、イスラム教の成立を7世紀のアラビアからたどり、帝国の拡大と住民の改宗を区別します。キリスト教の東西分裂や日本の神仏習合も、教義だけでなく政治や地域社会と結びつく出来事でした。「中世」は地域によって境界が異なるため、伝播の背景や後へのつながりも含めて読み進めます。

この巻で学ぶこと

  1. 交易・翻訳・王権・地域社会が伝播に果たした役割を理解する。
  2. 帝国の領域の拡大と信仰が根づく過程を区別する。
  3. 宗派の分岐と、異なる伝統の共存・習合を比較する。

CONTENTS

この巻の目次

  1. 第1章仏教のアジアへの伝播と多様化
    1. 1.商人・僧・翻訳者がつないだ道
    2. 2.上座部・大乗・密教を整理する
    3. 3.中国・朝鮮半島・日本、そしてチベットへ
    4. 4.広がることは、翻訳されること
  2. 第2章イスラム教の成立 ― 啓示とウンマ
    1. 1.メッカでの活動と啓示
    2. 2.622年のヒジュラ
    3. 3.日常生活と信仰を結ぶ実践
    4. 4.後継者問題から宗派へ
  3. 第3章イスラム世界の拡大 ― 帝国と交易
    1. 1.正統カリフ時代からウマイヤ朝へ
    2. 2.アッバース朝と都市の学問
    3. 3.交易とスーフィーのネットワーク
    4. 4.共存と不平等の両方を見る
  4. 第4章中世キリスト教世界と東西教会
    1. 1.教会・修道院と社会
    2. 2.東西分裂は1054年だけでは説明できない
    3. 3.十字軍と複数の利害
    4. 4.東西の外側にも続く教会
  5. 第5章日本の宗教史 ― 受容と神仏習合
    1. 1.仏教の公伝と国家
    2. 2.神と仏が重なる世界
    3. 3.平安・鎌倉の新たな展開
    4. 4.キリスト教伝来と江戸の宗教秩序
  6. 巻末まとめ