世界史の基本用語集
制度や社会のしくみを読むための基本語です。本文の点線の付いた言葉からも参照できます。
- 文明
- 都市、国家、文字、分業などの発達を捉えるための言葉。すべての社会が同じ順序で進むという意味ではない。
- 国家
- 一定の人々や地域に対して政治的な権力を行使する組織。税、軍事、法、行政などの仕組みを持つが、形は時代で異なる。
- 都市
- 人口が集まり、行政、商業、手工業などの活動が行われる場所。周辺の農村や遠い交易先に支えられる。
- 灌漑
- 川や水路などから農地へ水を引くこと。設備の維持や水の分配には人々の協力と調整が必要。
- 王権
- 王が政治や儀礼で持つ権威と力。軍隊だけでなく、宗教、身分、地方の有力者との関係にも支えられる。
- 帝国
- 多様な地域や人々を広く支配する政治体。現代の国民国家と同じ仕組みとは限らず、地域ごとに統治の方法が違う場合がある。
- 官僚
- 行政を担う役人。徴税、文書、法、軍事などの仕事を通じて、中央の命令と地方の社会をつなぐ。
- 主権
- 国家などが内外に対して持つ最高の政治的な権限を表す言葉。誰が持ち、どの範囲で行使できるかが問題になる。
- 交易
- 物やサービスを交換する活動。交通、信用、通訳、制度、治安などに支えられ、文化や人々の移動とも関わる。
- 貨幣
- 交換や価値の計算、支払いなどに使われるもの。金属や紙など形は異なり、その利用は国家と市場の両方に関わる。
- 余剰
- 生産されたもののうち、直ちに必要な分を超えて蓄えたり配分したりできる部分。分業や支配の仕組みと関係する。
- 分業
- 仕事を分けて担うこと。技術や生産を支える一方、仕事や利益の配分、他者への依存も生む。
- 身分
- 社会の中で制度や慣習によって定められる地位。権利、義務、職業、婚姻などを制限する場合がある。
- 奴隷制
- 人を所有や売買の対象として扱い、自由を制限して労働などを強制する制度。形や規模は時代と地域で異なる。
- 共和政
- 君主を置かず、公的な制度によって政治を行う体制。存在することだけで全住民の平等な政治参加を意味しない。
- 民主政
- 人々の政治参加や意思を政治の根拠とする制度。参加できる人、決め方、権利の範囲は時代によって異なる。
- 立憲
- 憲法や基本的な規範によって政治権力を定め、制限する考え。立憲君主制では君主と議会などの関係が定められる。
- 連邦制
- 国全体の政府と州などの政府が権限を分担する仕組み。中央集権と全く同じではなく、分担は国で異なる。
- 荘園
- 領主の土地支配と農民の労働・負担が結び付く仕組み。日本と欧州では制度が異なり、同じ語だけで同一視できない。
- 農奴
- 領主への義務などを負い、移動や活動に制約を持った農民。義務と生活の条件は地域や時期で違う。
- 封建
- 主君と家臣の関係や土地を介した支配を説明する言葉。欧州と東アジアの用法には違いがあり、同じ制度と限らない。
- 科挙
- 中国などで行われた官僚登用のための試験制度。教育や準備に必要な条件があり、誰もが同じ機会を持ったわけではない。
- 冊封
- 君主が他地域の支配者に称号などを与え、関係を定めること。実際の支配の強さは関係する地域や時期で異なる。
- 朝貢
- 使節が贈り物などを持って訪れ、政治的な関係を表す活動。交易も関わり、すべての交流を同じ意味の従属とはみなせない。
- 教義
- 宗教の教えの内容を体系的に説明するもの。実際の信仰や儀礼、組織の運営とは区別して考える。
- 宗派
- 教え、儀礼、組織、歴史などの違いによって分かれる宗教内部の流れ。内部にも地域や時代の多様性がある。
- 宗教改革
- 教会や信仰のあり方を問い直す動き。近世欧州では教義と政治、財産、印刷などが関わり、地域ごとに違った。
- 植民地
- 外国などの支配下に置かれ、政治や経済を統制される地域。統治の方法と現地の人々の対応は一様ではない。
- 植民地化
- 外部の勢力が地域の主権、土地、労働、経済などへ支配を広げる過程。征服だけでなく条約や会社の活動も関わる。
- 帝国主義
- 国家などが軍事、経済、政治の力で他地域への支配や影響を広げる動き。植民地の保有以外の形もある。
- 資本
- 生産や事業に用いられる資金、設備など。日常の意味での現金だけでなく、社会の生産関係に関わる概念。
- 資本主義
- 生産手段の私的な所有、市場での取引、利潤を目指す事業、賃金労働などが重要となる経済の仕組み。
- 賃金
- 労働を提供することに対して受け取る報酬。額だけでなく、労働時間、物価、生活の条件を合わせて考える。
- 利潤
- 事業の収入から費用などを差し引いて得られる利益。売上全体と同じではなく、投資や分配と関わる。
- 産業革命
- 技術、資源、労働、市場、資金などが結び付き、生産と社会の仕組みが大きく変化した過程。一つの発明ではない。
- 自由主義
- 個人の自由や権利、権力の制限などを重視する考え。政治と経済で用法が異なり、時代や立場で内容が変わる。
- 民族主義
- 共通の言語、文化、歴史などをもとに共同体や政治を作ろうとする動き。統一、独立、排除など異なる方向に働き得る。
- 国民国家
- 国民という共同体と国家の支配を結び付ける形。学校、軍隊、行政、言語などを通じて作られる過程がある。
- 普通選挙
- 財産や納税などによる制限を外して選挙権を認める制度。歴史上は性別や年齢などの制限が残る場合があった。
- 社会主義
- 社会や経済の不平等を批判し、生産や分配の仕組みを変えようとする思想や運動。複数の流れがあり同一の政策ではない。
- 総力戦
- 軍隊だけでなく、経済、労働、情報、生活など社会の広い範囲が戦争に動員される状態。
- 民族自決
- 人々が自分たちの政治的なあり方を決めるという考え。実際の対象や国境の定め方には問題や制限があった。
- ファシズム
- 暴力や大衆動員、権力の集中などを用いる政治の動き。国や時期で特徴が異なり、個別の制度や政策の確認が必要。
- 人種主義
- 人を人種などの分類で区別し、優劣や権利の差を正当化する考え。差別、排除、暴力と結び付いてきた。
- ホロコースト
- ナチ政権と協力者によるユダヤ人への組織的な迫害と大量虐殺。差別の制度、移送、殺害の過程を学ぶ必要がある。
- 冷戦
- 米ソなどが直接の全面戦争を避けながら、軍事、外交、経済、宣伝などで対立した状態。地域では実際の戦争も起こった。
- 抑止
- 反撃などの危険を相手に考えさせ、攻撃を控えると期待する考え。誤認や事故、政治の判断の問題もある。
- 非同盟
- 冷戦の軍事的な陣営のどちらかへ単純に従属せず、独自の外交を求める立場。国際政治に関わらない意味ではない。
- 脱植民地化
- 植民地支配から独立へ向かう過程。宣言、承認、戦争の終結、制度の整備は異なる段階となる場合がある。
- 人権
- 人が人であることに基づいて持つ権利を考える概念。宣言や法律の承認と、生活の中での実現は区別する必要がある。
- グローバル化
- 商品、資金、情報、人々などの移動や関係が国境を越えて広がること。利益や負担が均等になることを意味しない。
- 史料
- 過去を知るために用いる記録や物。文字、遺物、建築、写真などがあり、作り手と目的、残り方を確かめる。