シルクコード図書館

第1部 · 第5章

律令国家ができるまで

7世紀後半〜8世紀初め / 近畿・大宰府・各地の国府

用語集
この章の目次
  1. 白村江の敗戦
  2. 壬申の乱と王権
  3. 律と令の仕組み
  4. 土地と人への負担
  5. 年表
  6. 人物・重要事項
  7. 理解を確かめる

場所をつかむ

PLACE & HISTORY近畿・大宰府・各地の国府
律令国家ができるまでの主な地域九州1 藤原京12 大宰府23 近江大津3北約100 km
  1. 1藤原京
  2. 2大宰府
  3. 3近江大津

地点の位置関係を示す地図です。海岸線は現代の地形資料に基づき、当時の海岸線・国境・支配領域を表すものではありません。地形:Natural Earth(Public Domain)。

背景から変化へ

  1. 背景国際的な軍事危機と王位継承の争いが起こる
  2. 展開 →戸籍、都城、法律、地方行政が整備される
  3. 結果 →人と土地を把握する律令国家が形成される

考える視点:制度の原則と、人々が負った実際の仕事は同じか

1. 白村江の敗戦

663年、倭の軍は百済の復興を支援して唐・新羅の軍と戦い、白村江で敗れました。敗戦後、西日本では水城や山城などの防衛が整えられます。外交上の危機は、国内の人と資源を把握し、軍事や行政を組織する必要を強めました。

天智天皇の時代には庚午年籍が作られました。人を数える記録は、単なる名簿ではなく、税や役務を課す根拠になります。国家の整備は支配者にとって便利である一方、人々の仕事や移動、負担を変えることでした。制度の成立を、管理される側からも考えます。

2. 壬申の乱と王権

672年の壬申の乱では、大海人皇子が大友皇子の側に勝利し、天武天皇として即位しました。王位をめぐる争いは中央だけでなく、地方の豪族や交通路、兵力にも支えられました。勝利の後、王権を中心に制度と儀礼を整える動きが強まります。

持統天皇の時代には藤原京への遷都が行われました。都城は、宮殿、役所、道路などを配置して政治の秩序を示します。大きな都を作るには、遠い地域から食料や資材を集める必要がありました。中心の政治と地方の負担は、切り離せない関係です。

3. 律と令の仕組み

701年の大宝は、刑罰に関わる律と、行政などに関わる令を整えました。中央には太政官や神祇官、地方には国・郡・里などの仕組みが置かれます。唐の制度を参照しながらも、列島の社会に合わせて組み直した点が重要です。

官僚の役割、位階、文書の形式が定められても、それだけで命令が末端まで届くわけではありません。地方の有力者や書記、運ぶ人々が必要でした。という名前を覚えた後に、誰が記録し、誰が集め、誰が届けたかを考えると制度が動く姿を理解できます。

4. 土地と人への負担

では、戸籍などに基づいて口分田を与え、税や役務を課す仕組みが作られました。・・は同じ種類の負担ではありません。米、産物、労働など、何をどこへ納めるかを分けます。兵役や運搬の負担も、人々の生活に大きく関わりました。

制度の原則と現実には違いがありました。逃亡や戸籍の記載の変化は、重い負担への対応を伝えます。人々は国家の制度にただ従うだけではなく、その中で生きる方法を選んでいました。次の章では、都の華やかさを支える地方の仕事と、土地制度の変化を確かめます。

年表で流れを確かめる

  1. 663年
    白村江の戦い

    唐・新羅との戦いの敗北後、沿岸の防衛と国家整備が進みます。

  2. 672年
    壬申の乱

    大海人皇子が勝利し、天武天皇として即位します。

  3. 701年
    大宝律令

    行政や刑罰の制度が整えられ、中央と地方の仕事を定めます。

人物・重要事項を調べる

本文を読んだ後の復習や、言葉を調べるときに使えます。

白村江の戦いで日本が敗れた相手は?

唐・新羅連合軍

663年。百済救援のための出兵だったが大敗。

持統天皇の業績は?

藤原京への遷都と飛鳥浄御原令の施行

天武天皇の皇后。女帝として手腕を発揮。

「白村江の戦い」後に築かれた防衛施設は?

水城・大野城

663年の敗戦後、唐・新羅の侵攻に備えた。

理解を確かめる

本文を閉じて、この章の「背景 → 展開 → 結果」を自分の言葉で説明してみましょう。誰にどんな変化があったかも加えると、説明が具体的になります。

白村江の戦いで日本が敗れた相手は?

唐・新羅連合軍

663年。百済救援のための出兵だったが大敗。

持統天皇の業績は?

藤原京への遷都と飛鳥浄御原令の施行

天武天皇の皇后。女帝として手腕を発揮。

「白村江の戦い」後に築かれた防衛施設は?

水城・大野城

663年の敗戦後、唐・新羅の侵攻に備えた。

日本史の一問一答へ

用語

地図を詳しく見る

小さな画面では地図を左右に動かして確認できます。