問1 · 第1問 公共:合意形成と社会参画(3点)
会話:地域交通の見直し(創作)
町がバス路線を見直すことになった。Aは「利用者数の合計を増やせる案を選びたい」と述べ、Bは「通院に代わりの手段がない人への影響も調べよう」と応じた。
両者の観点を区別して検討する説明として最も適切なのはどれか。
- 効率と公正は同じ概念なので、利用者数の順位が分かれば比較は完了する。
- 利用者数を測定できる以上、代替手段の有無は意思決定に関係しない。
- 少数者への影響がある施策では、費用や便益の情報を集めてはならない。
- 利用者全体への効果と、生活上の機会や負担の偏りをともに検討する。
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正解:4.利用者全体への効果と、生活上の機会や負担の偏りをともに検討する。
Aは全体への効果や効率、Bは機会や負担の公正に関わる観点を示す。一つの指標だけで決めず、両者を区別して調整案を検討することができる。
問4 · 第1問 公共:合意形成と社会参画(3点)
データのある意見と意見のあるデータ(創作)
「利用者の満足度は高い」という報告があったが、調査対象は新サービスの利用者だけだった。利用をやめた人と一度も使っていない人は対象に含まれていない。
この報告を評価する際の注意として最も適切なのはどれか。
- 対象者の選び方に偏りがある可能性を考え、非利用者などの状況も調べる。
- 調査票に数値が含まれていれば、対象者の選び方は結果の解釈に影響しない。
- 利用者の回答は実際の経験を含むため、対象となる全住民の意見と必ず一致する。
- 偏りの可能性がある調査は、条件を明らかにしても一切の検討材料にできない。
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正解:1.対象者の選び方に偏りがある可能性を考え、非利用者などの状況も調べる。
利用者のみの調査から住民全体の評価は断定できない。対象・回答率・質問方法などを確認する。一方、限界を明示した上で、利用者の経験を知る資料として用いることはできる。
問10 · 第3問 政治・経済:民主政治と制度(3点)
権力を分ける意味(創作)
Aは「権力分立は三つの機関を互いに無関係にする仕組みだ」と述べた。Bは「役割を分けるだけでなく、抑制や均衡の関係にも注目したい」と応じた。
Bを具体化した日本の制度の説明として正しいものを選べ。
- 内閣は憲法の規定に優先する命令を、国会や裁判所の関与なく制定できる。
- 国会は裁判官に、具体的事件の判決内容を指示する権限を常に持つ。
- 裁判所は具体的な事件の審理を通じて、法令等が憲法に適合するかを審査する。
- 司法権の独立とは、裁判官が憲法や法律にも拘束されないことを意味する。
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正解:3.裁判所は具体的な事件の審理を通じて、法令等が憲法に適合するかを審査する。
裁判所の違憲審査は権力を規律する仕組みの一つである。日本では具体的事件に関わる付随的な審査が基本となる。司法の独立は憲法や法律からの独立ではない。
問13 · 第3問 政治・経済:民主政治と制度(3点)
世論調査を読む(架空)
政策への賛否を調べたところ、A調査は「費用の増加」を最初に説明し、B調査は「期待される効果」を最初に説明していた。対象の選び方も異なり、結果に差があった。
結果の差を評価する姿勢として最も適切なのはどれか。
- 自分の意見に一致する結果だけを選べば、調査方法を検討する必要はなくなる。
- 同じ政策への調査なので、質問方法や対象者の違いは結果に影響しない。
- 異なる結果が出た場合、どちらも数値として集計することができない。
- 質問の順序や表現、対象者の選定などを確認し、結果を比較できる条件を調べる。
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正解:4.質問の順序や表現、対象者の選定などを確認し、結果を比較できる条件を調べる。
世論調査は質問文や対象の選び方などの影響を受ける。差があること自体を不正の証明としたり、自分に都合のよい結果だけを採用したりせず、方法と限界を確認する。
問15 · 第4問 政治・経済:市場と経済指標(3点)
選択とあきらめるもの(創作)
ある学生は自由に使える二時間を、アルバイトか試験勉強のどちらかに充てられる。アルバイトを選ぶ場合、最善の別の選択肢だった勉強の機会を失う。
この例での機会費用の説明として最も適切なのはどれか。
- 既に支払って回収できない過去の授業料の全額。
- アルバイトを選ぶために断念した、最善の代替案である勉強の価値。
- アルバイトと勉強の両方から同時に必ず得られる便益の合計。
- 選択とは無関係に支払う費用だけを集計した金額。
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正解:2.アルバイトを選ぶために断念した、最善の代替案である勉強の価値。
機会費用は選択によって断念する最善の代替案の価値である。過去に支払った回収不能な費用である埋没費用や、選択可能な案すべての価値の合計とは異なる。
問17 · 第4問 政治・経済:市場と経済指標(3点)
取引に含まれない負担(創作)
工場の生産に伴う汚染で周辺住民に被害が出ているが、その負担は商品の市場価格や工場の私的な費用に十分反映されていない。
この状況を説明するものとして最も適切なのはどれか。
- 商品の購入者が便益を得ていれば、生産に伴う第三者の損失は定義上発生しない。
- 汚染被害が市場価格に入らないので、社会全体の資源配分にも影響しない。
- 外部性とは、すべての企業の費用が同じになる完全競争の条件を意味する。
- 負の外部性があり、課税や規制などで社会的な負担を意思決定に反映させる方法が考えられる。
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正解:4.負の外部性があり、課税や規制などで社会的な負担を意思決定に反映させる方法が考えられる。
外部性は市場取引の当事者以外にも影響が及ぶことである。負の外部性では私的な費用と社会的な費用がずれる。課税や規制等はそのずれを調整する政策として考えられる。
問26 · 第5問 政治・経済:金融・財政・暮らし(3点)
負担の偏りを読む(架空)
二つの家計は同じ種類の商品を同じ税込価格で購入する。単純化のため、表の消費税負担額はこの期間に実際に支払った税額とし、他の税や給付は考えない。
所得に対する税負担の割合について正しいものを選べ。
- 両家計の納税額が同じなので、所得に対する負担割合も必ず同じである。
- 家計Pは2%、家計Qは5%であり、この資料では高所得の家計の負担割合が高い。
- 家計Pは5%、家計Qは2%であり、この資料では低所得の家計の負担割合が高い。
- この二家計の表だけで、あらゆる税と給付を含む最終的な再分配効果も確定できる。
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正解:3.家計Pは5%、家計Qは2%であり、この資料では低所得の家計の負担割合が高い。
Pは1÷20=5%、Qは1÷50=2%である。所得に対して低所得側の負担割合が高いという逆進性の観点に関わる。ただし他の税・給付を含めた全体の再分配効果は、この表だけでは分からない。
問28 · 第6問 政治・経済:国際社会と持続可能性(3点)
為替レートと輸入代金(架空)
商品代金は100米ドルで一定とする。為替レートが1米ドル100円から125円へ変化した。税・手数料や商品の価格変更は考えない。
円相場と円での代金について正しいものを選べ。
- 円安となり、円での代金は10,000円から12,500円へ25%増える。
- 円高となり、円での代金は10,000円から12,500円へ25%増える。
- 円安となり、円での代金は12,500円から10,000円へ20%減る。
- 米ドルの代金が同じなので、円での代金も必ず10,000円のままである。
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正解:1.円安となり、円での代金は10,000円から12,500円へ25%増える。
同じ米ドルを得るためにより多くの円が必要になっているので円安である。100×100=10,000円、100×125=12,500円で、増加率は2,500÷10,000=25%となる。
問32 · 第6問 政治・経済:国際社会と持続可能性(4点)
排出削減費用の比較(架空モデル)
企業A・Bはそれぞれ4単位ずつ排出している。排出総量を8から4へ減らす。削減費用は表のとおりで、一単位ごとの費用は一定、各社は最大4単位まで削減できる。排出枠の取引に費用はかからず、枠の代金は企業間の移転なので総削減費用には含めない。
両社が2単位ずつ削減する場合と、Aが4単位を削減しBは削減せず排出枠を得る場合の比較として正しいものを選べ。
- 総排出量はいずれも4単位で、総削減費用は20,000円から8,000円へ減る。
- 総排出量はいずれも8単位で、総削減費用は8,000円から20,000円へ増える。
- 総排出量を4単位に保つには、各社が必ず同じ量を削減しなければならない。
- 枠の取引を認めると削減費用を比較できなくなり、総量の上限も必ずなくなる。
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正解:1.総排出量はいずれも4単位で、総削減費用は20,000円から8,000円へ減る。
各社2単位ずつなら2×2,000+2×8,000=20,000円、Aのみ4単位なら4×2,000=8,000円である。削減の合計はどちらも4単位となる。総量の条件を保ちつつ費用の低い削減へ配分する仕組みを考えるモデルである。