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公共・政治経済 第1回
問題・解説一覧

全32問・100点。資料や会話・表の数値は編集部作成です。

問1 · 第1問 公共:合意形成と社会参画(3点)

会話:地域交通の見直し(創作)

町がバス路線を見直すことになった。Aは「利用者数の合計を増やせる案を選びたい」と述べ、Bは「通院に代わりの手段がない人への影響も調べよう」と応じた。

両者の観点を区別して検討する説明として最も適切なのはどれか。

  1. 効率と公正は同じ概念なので、利用者数の順位が分かれば比較は完了する。
  2. 利用者数を測定できる以上、代替手段の有無は意思決定に関係しない。
  3. 少数者への影響がある施策では、費用や便益の情報を集めてはならない。
  4. 利用者全体への効果と、生活上の機会や負担の偏りをともに検討する。
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正解:4.利用者全体への効果と、生活上の機会や負担の偏りをともに検討する。

Aは全体への効果や効率、Bは機会や負担の公正に関わる観点を示す。一つの指標だけで決めず、両者を区別して調整案を検討することができる。

問2 · 第1問 公共:合意形成と社会参画(3点)

住民説明会の進め方(創作)

町は、参加者の氏名を伏せて意見を整理し、根拠となるデータも公開した。反対意見についても、その理由と町の回答を記録することにした。

この取組の意義として最も適切なのはどれか。

  1. 発言者名を伏せた場合、示されたデータの妥当性を検討する必要はない。
  2. 反対の理由を記録すれば、最終的な決定についての説明責任はなくなる。
  3. 立場の強さだけで決めず、理由の検討や決定過程の説明を可能にする。
  4. 意見を整理して公開すると、多数決と少数意見への配慮は両立できなくなる。
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正解:3.立場の強さだけで決めず、理由の検討や決定過程の説明を可能にする。

根拠や応答を公開することは、手続の透明性や説明責任を支える。記録しただけで意見対立が解消するわけではなく、その内容の検討も必要である。

問3 · 第1問 公共:合意形成と社会参画(3点)

公共施設と利用条件(創作)

施設の予約をインターネットに一本化したところ、通信環境や操作経験のない住民が予約しにくくなった。町は窓口での申込みも残す案を検討している。

窓口を残す案の説明として最も適切なのはどれか。

  1. 一つの方法を全員に強制することだけが、平等を実現する唯一の手段である。
  2. 形式的に同じ方法を求めるだけでなく、実際に利用できる機会を確保する。
  3. 操作経験に違いがある場合、施設への参加の機会を保障する必要はない。
  4. 窓口を残すことは、オンライン申込みをした人の権利を必ず奪うことを意味する。
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正解:2.形式的に同じ方法を求めるだけでなく、実際に利用できる機会を確保する。

同じ手続でも条件の違いから利用機会に差が生じることがある。複数の方法を整えることは、参加の障壁を減らす取組として考えられる。

問4 · 第1問 公共:合意形成と社会参画(3点)

データのある意見と意見のあるデータ(創作)

「利用者の満足度は高い」という報告があったが、調査対象は新サービスの利用者だけだった。利用をやめた人と一度も使っていない人は対象に含まれていない。

この報告を評価する際の注意として最も適切なのはどれか。

  1. 対象者の選び方に偏りがある可能性を考え、非利用者などの状況も調べる。
  2. 調査票に数値が含まれていれば、対象者の選び方は結果の解釈に影響しない。
  3. 利用者の回答は実際の経験を含むため、対象となる全住民の意見と必ず一致する。
  4. 偏りの可能性がある調査は、条件を明らかにしても一切の検討材料にできない。
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正解:1.対象者の選び方に偏りがある可能性を考え、非利用者などの状況も調べる。

利用者のみの調査から住民全体の評価は断定できない。対象・回答率・質問方法などを確認する。一方、限界を明示した上で、利用者の経験を知る資料として用いることはできる。

問5 · 第2問 公共:権利と情報社会(3点)

多数の支持と憲法(創作)

ある政策案には多数の支持がある。しかし生徒は「支持者が多ければ、少数者の基本的な権利を制限する案でも、その理由や程度を検討しなくてよいのだろうか」と疑問を持った。

立憲主義の観点から最も適切な説明を選べ。

  1. 憲法がある場合、政策の目的と権利への影響を比較してはならない。
  2. 多数決による決定は、その内容にかかわらず憲法による制約から外れる。
  3. 立憲主義は、政治に参加する市民の意見を一種類に統一する原理である。
  4. 権力を憲法で規律し、多数決で決める場合にも権利保障との関係を検討する。
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正解:4.権力を憲法で規律し、多数決で決める場合にも権利保障との関係を検討する。

立憲主義は権力を制限して権利を保障する考え方である。多数者の支持と、内容が憲法上の原理に適合するかは、区別して検討する必要がある。

問6 · 第2問 公共:権利と情報社会(4点)

情報収集をめぐる会話(創作)

A「サービスを便利にするためなら、個人の情報を多く集めるほどよいのかな。」
B「利用目的や必要性、本人への説明、安全な管理も考える必要があると思う。」

Bの指摘を適切に整理したものを選べ。

  1. 情報は目に見える財物ではないため、収集や利用の方法を検討する必要はない。
  2. 一度情報を得た組織には、その情報をどの目的にも使う権利が無条件に生じる。
  3. 利便性だけでなく、個人の権利利益への影響と必要な情報の範囲を検討する。
  4. 情報を集める目的を伝えれば、漏えいや不正利用に備える必要はなくなる。
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正解:3.利便性だけでなく、個人の権利利益への影響と必要な情報の範囲を検討する。

個人情報の取扱いでは、目的・必要性・利用範囲・安全管理などを検討する。便利さを認めることと、あらゆる収集や利用を無条件に認めることは同じではない。

問7 · 第2問 公共:権利と情報社会(3点)

自由を支える条件(創作)

ある人は法律上は自由に職業を選べるが、学習機会や必要な情報へのアクセスが乏しく、実際の選択肢は狭い。この事例を、自由権と社会権の関係から考えた。

最も適切な説明はどれか。

  1. 自由権が保障されていれば、生活や教育の条件の違いは現実の選択肢に影響しない。
  2. 不当な干渉を受けないことに加え、教育や生活の条件を支えることも実際の自由に関わる。
  3. 社会権は国民に政治参加を禁止する権利なので、自由権とは必ず矛盾する。
  4. 生活条件への支援を検討するには、職業選択の自由を全面的に否定しなければならない。
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正解:2.不当な干渉を受けないことに加え、教育や生活の条件を支えることも実際の自由に関わる。

自由権による干渉からの保障と、社会権に関わる生活・教育などの条件整備は、異なる側面から人の生活や選択を支える。両者を単純な二者択一にしない。

問8 · 第2問 公共:権利と情報社会(3点)

相談制度の試行結果(架空)

同じ条件の二地区で、相談制度を試行した。表は試行期間の相談受付数と解決数である。案件の難しさや、相談できなかった人の数は調べていない。

編集部作成の架空データ
地区受付件数解決件数
P120件72件
Q60件36件

表からいえることとして最も適切なのはどれか。

  1. 解決割合は両地区とも60%で、地区Pの解決件数が多い。制度の優劣には他の条件も必要である。
  2. 地区Pの解決割合は地区Qの二倍なので、制度の効果も必ず二倍である。
  3. 地区Qの解決件数が少ないため、相談が必要だった住民も必ず少ない。
  4. 両地区の解決割合が同じなので、住民全体の利用機会も同一だと断定できる。
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正解:1.解決割合は両地区とも60%で、地区Pの解決件数が多い。制度の優劣には他の条件も必要である。

Pは72÷120=60%、Qは36÷60=60%である。割合と件数を区別する。受付に至らない人の状況や案件の違いを調べずに、制度の優劣や利用機会の平等を断定できない。

問9 · 第3問 政治・経済:民主政治と制度(3点)

議会と内閣の関係(編集部作成)

日本の内閣と国会の関係を、制度の特徴から整理することにした。内閣総理大臣の指名と、内閣の行政権の行使に対する責任に注目した。

日本の議院内閣制の説明として正しいものを選べ。

  1. 内閣総理大臣の指名権は内閣だけが持ち、国会は行政から立法権を委託される。
  2. 国民が内閣総理大臣を直接選挙し、内閣は国会に対して責任を負わない。
  3. 最高裁判所が内閣総理大臣を指名し、国会はその決定を審査できない。
  4. 国会が内閣総理大臣を指名し、内閣は行政権の行使について国会に連帯して責任を負う。
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正解:4.国会が内閣総理大臣を指名し、内閣は行政権の行使について国会に連帯して責任を負う。

憲法では、内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名され、内閣は国会に対して連帯して責任を負う。大統領制の直接選挙等と混同しない。

問10 · 第3問 政治・経済:民主政治と制度(3点)

権力を分ける意味(創作)

Aは「権力分立は三つの機関を互いに無関係にする仕組みだ」と述べた。Bは「役割を分けるだけでなく、抑制や均衡の関係にも注目したい」と応じた。

Bを具体化した日本の制度の説明として正しいものを選べ。

  1. 内閣は憲法の規定に優先する命令を、国会や裁判所の関与なく制定できる。
  2. 国会は裁判官に、具体的事件の判決内容を指示する権限を常に持つ。
  3. 裁判所は具体的な事件の審理を通じて、法令等が憲法に適合するかを審査する。
  4. 司法権の独立とは、裁判官が憲法や法律にも拘束されないことを意味する。
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正解:3.裁判所は具体的な事件の審理を通じて、法令等が憲法に適合するかを審査する。

裁判所の違憲審査は権力を規律する仕組みの一つである。日本では具体的事件に関わる付随的な審査が基本となる。司法の独立は憲法や法律からの独立ではない。

問11 · 第3問 政治・経済:民主政治と制度(3点)

選挙制度の比較(学習用の単純化)

Pは一つの選挙区から一人を選ぶ方式、Qは政党などの得票に応じて議席を配分する方式である。いずれも制度の具体的な設計で効果は変わる。

一般的な特徴の説明として最も適切なのはどれか。

  1. Pでは全候補者の得票が必ず議席に反映され、Qでは得票割合が議席と無関係になる。
  2. Pでは死票が多くなりやすく、Qは政党の得票割合を議席に反映させやすい。
  3. PもQも、選挙区や配分方式が違っても選挙結果は必ず同一になる。
  4. Qはすべての国で同じ配分計算を使うため、具体的な制度を比較する必要がない。
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正解:2.Pでは死票が多くなりやすく、Qは政党の得票割合を議席に反映させやすい。

Pは小選挙区制、Qは比例代表制を表す。代表性や政権の形成など複数の観点から比較できる。一般的な傾向を、どの制度でも必ず同じ結果になるという主張に広げない。

問12 · 第3問 政治・経済:民主政治と制度(3点)

地方自治の二つの側面(創作)

市が独自の政策を企画することと、市民が選挙や意見提出を通じて政策に関わることを、地方自治の二つの側面として整理した。

この二つの側面を適切に対応させたものはどれか。

  1. 地方公共団体の自主的な運営は団体自治、市民の参加は住民自治に関わる。
  2. 地方公共団体の自主的な運営は住民自治、市民の参加は団体自治に関わる。
  3. 団体自治とは国の機関がすべての地域の政策を同一に決めることである。
  4. 住民自治とは地方公共団体が住民の意思を考慮せず政策を決めることである。
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正解:1.地方公共団体の自主的な運営は団体自治、市民の参加は住民自治に関わる。

団体自治は地方公共団体の国からの相対的な自主性、住民自治は住民の意思に基づく自治に関わる。相互に関係するが、同じ意味の用語ではない。

問13 · 第3問 政治・経済:民主政治と制度(3点)

世論調査を読む(架空)

政策への賛否を調べたところ、A調査は「費用の増加」を最初に説明し、B調査は「期待される効果」を最初に説明していた。対象の選び方も異なり、結果に差があった。

結果の差を評価する姿勢として最も適切なのはどれか。

  1. 自分の意見に一致する結果だけを選べば、調査方法を検討する必要はなくなる。
  2. 同じ政策への調査なので、質問方法や対象者の違いは結果に影響しない。
  3. 異なる結果が出た場合、どちらも数値として集計することができない。
  4. 質問の順序や表現、対象者の選定などを確認し、結果を比較できる条件を調べる。
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正解:4.質問の順序や表現、対象者の選定などを確認し、結果を比較できる条件を調べる。

世論調査は質問文や対象の選び方などの影響を受ける。差があること自体を不正の証明としたり、自分に都合のよい結果だけを採用したりせず、方法と限界を確認する。

問14 · 第3問 政治・経済:民主政治と制度(4点)

裁判の仕組みを整理する(編集部作成)

司法制度の学習で、Aは裁判員制度、Bは違憲審査について説明するカードを作った。

両制度の説明として正しいものの組合せを選べ。

  1. A:法律案を市民が直接成立させる/B:裁判所が憲法を通常の判決だけで改正する。
  2. A:すべての民事裁判を市民だけで行う/B:内閣が裁判所の判決を取り消す。
  3. A:対象となる刑事裁判に市民が参加する/B:法令等の憲法適合性を審査する。
  4. A:対象となる刑事裁判に市民が参加する/B:国民投票で個別事件の有罪・無罪を決める。
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正解:3.A:対象となる刑事裁判に市民が参加する/B:法令等の憲法適合性を審査する。

裁判員制度は対象の刑事裁判に市民が裁判官とともに参加する制度である。違憲審査は法令等の憲法適合性を判断する仕組みであり、国民投票や憲法改正とは異なる。

問15 · 第4問 政治・経済:市場と経済指標(3点)

選択とあきらめるもの(創作)

ある学生は自由に使える二時間を、アルバイトか試験勉強のどちらかに充てられる。アルバイトを選ぶ場合、最善の別の選択肢だった勉強の機会を失う。

この例での機会費用の説明として最も適切なのはどれか。

  1. 既に支払って回収できない過去の授業料の全額。
  2. アルバイトを選ぶために断念した、最善の代替案である勉強の価値。
  3. アルバイトと勉強の両方から同時に必ず得られる便益の合計。
  4. 選択とは無関係に支払う費用だけを集計した金額。
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正解:2.アルバイトを選ぶために断念した、最善の代替案である勉強の価値。

機会費用は選択によって断念する最善の代替案の価値である。過去に支払った回収不能な費用である埋没費用や、選択可能な案すべての価値の合計とは異なる。

問16 · 第4問 政治・経済:市場と経済指標(3点)

需要と供給の表(架空モデル)

価格ごとの需要量と供給量は表のとおりとする。取引費用などは考えず、需要と供給が一致する価格を均衡価格と呼ぶ。

編集部作成の架空データ
価格需要量供給量
100円60個20個
200円40個40個
300円20個60個

表に基づく記述として正しいものを選べ。

  1. 均衡価格は200円、均衡量は40個で、価格100円では40個の需要超過となる。
  2. 均衡価格は100円であり、同じ価格では40個の供給超過となる。
  3. 均衡価格は300円であり、価格200円では需要量が供給量を上回る。
  4. どの価格でも需要量と供給量の合計は80個なので、すべて均衡価格である。
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正解:1.均衡価格は200円、均衡量は40個で、価格100円では40個の需要超過となる。

200円では需要40個と供給40個が一致する。100円では需要60個−供給20個=40個の需要超過である。数量の合計が一定であることは、市場が均衡する条件ではない。

問17 · 第4問 政治・経済:市場と経済指標(3点)

取引に含まれない負担(創作)

工場の生産に伴う汚染で周辺住民に被害が出ているが、その負担は商品の市場価格や工場の私的な費用に十分反映されていない。

この状況を説明するものとして最も適切なのはどれか。

  1. 商品の購入者が便益を得ていれば、生産に伴う第三者の損失は定義上発生しない。
  2. 汚染被害が市場価格に入らないので、社会全体の資源配分にも影響しない。
  3. 外部性とは、すべての企業の費用が同じになる完全競争の条件を意味する。
  4. 負の外部性があり、課税や規制などで社会的な負担を意思決定に反映させる方法が考えられる。
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正解:4.負の外部性があり、課税や規制などで社会的な負担を意思決定に反映させる方法が考えられる。

外部性は市場取引の当事者以外にも影響が及ぶことである。負の外部性では私的な費用と社会的な費用がずれる。課税や規制等はそのずれを調整する政策として考えられる。

問18 · 第4問 政治・経済:市場と経済指標(3点)

国内の生産を測る(学習用モデル)

ある期間に国内で新しい財やサービスが生産された。中古品の個人間売買と、政府から家計への現金給付もあった。仲介など別のサービスは考えない。

国内総生産の考え方として最も適切なのはどれか。

  1. 政府からの現金給付は、支払い額と同額の生産が必ず生じるため全額加算する。
  2. 中古品の売買代金は、その品の新品時の生産額と重ねて必ず全額加算する。
  3. 期間内に国内で新たに生まれた付加価値を捉え、現金給付そのものは生産として加算しない。
  4. 国内で生産されても、外国企業が行った活動の付加価値は一律に除く。
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正解:3.期間内に国内で新たに生まれた付加価値を捉え、現金給付そのものは生産として加算しない。

GDPは一定期間に国内で生み出された付加価値の合計である。移転支出である給付そのものは生産ではない。中古品そのものの再売買と新たな仲介サービスの生産も区別する。

問19 · 第4問 政治・経済:市場と経済指標(3点)

賃金と物価の指数(架空)

基準年を100とすると、翌年の名目賃金指数は104、消費者物価指数は108となった。実質賃金指数は「名目賃金指数÷物価指数×100」で求める。

このモデルについて正しいものを選べ。

  1. 名目賃金も実質賃金も、必ず同じ4%の割合で上がった。
  2. 名目賃金は4%上がったが、実質賃金は基準年より約3.7%下がった。
  3. 名目賃金は8%上がり、実質賃金は4%上がった。
  4. 104と108の差が4なので、実質賃金指数は必ず104となる。
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正解:2.名目賃金は4%上がったが、実質賃金は基準年より約3.7%下がった。

実質賃金指数は104÷108×100≒96.3で、基準の100より約3.7%低い。名目額が増えていても、物価の上昇率がそれを上回れば購買力は低下する。

問20 · 第4問 政治・経済:市場と経済指標(4点)

公共財の費用負担(創作)

誰かが利用しても他の人の利用を妨げにくく、料金を払わない人を利用から排除することも難しいサービスを、民間の自発的な料金収入だけで提供しようとしている。

生じやすい問題として最も適切なのはどれか。

  1. 対価を払わず便益を得ようとする行動が起こり、十分な供給に必要な資金が集まりにくい。
  2. 利用者が増えるほど、必ず各人の便益が完全になくなる。
  3. 料金を払わない人を容易に排除できるため、費用負担の問題は生じない。
  4. 非競合性と非排除性があれば、すべての利用者が必ず同額を自発的に払う。
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正解:1.対価を払わず便益を得ようとする行動が起こり、十分な供給に必要な資金が集まりにくい。

非競合性・非排除性を持つ公共財では、フリーライダーの問題が起こりやすい。供給が難しくなる可能性は、公的な費用負担などを検討する根拠となるが、具体的な供給方法は比較が必要である。

問21 · 第5問 政治・経済:金融・財政・暮らし(3点)

二つの政策カード(編集部作成)

P:中央銀行が金融市場に働きかけ、金利や資金調達環境を通じて経済に影響を与える。
Q:政府が歳出や税などを通じて経済に働きかける。

政策の対応として正しいものを選べ。

  1. Pは地方自治、Qは裁判所の違憲審査である。
  2. Pは財政政策、Qは金融政策である。
  3. PもQも、企業が自社製品の価格を決める私的な価格政策である。
  4. Pは金融政策、Qは財政政策である。
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正解:4.Pは金融政策、Qは財政政策である。

金融政策と財政政策は、担い手や主な手段が異なる。両者とも経済に影響するが、中央銀行の金利調節と政府の税・歳出を同じ手段と扱わない。

問22 · 第5問 政治・経済:金融・財政・暮らし(3点)

資金を集める二つの方法(創作)

企業Aは銀行から借入れを行った。企業Bは新たに発行した株式を投資家に購入してもらった。

資金調達の分類として正しいものを選べ。

  1. AもBも、返済期限と利息が同一に定められた借入れに当たる。
  2. Aは直接金融、Bは間接金融であり、株式の購入代金は必ず銀行の貸出金となる。
  3. Aは金融機関が仲介する間接金融、Bは投資家から調達する直接金融に当たる。
  4. AもBも、資金の提供者が企業の経営成績の影響を一切受けない方法である。
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正解:3.Aは金融機関が仲介する間接金融、Bは投資家から調達する直接金融に当たる。

銀行借入れは間接金融、株式発行などは直接金融の例である。株式と借入れでは資金提供者の権利や負担するリスクも異なり、株式を返済期限のある借金と同一視しない。

問23 · 第5問 政治・経済:金融・財政・暮らし(3点)

景気と税・給付(単純化した説明)

景気が悪化して家計所得が減ると、累進的な所得税の税負担が軽くなり、失業給付などの支払いが増える場合がある。新しい政策をその都度決めなくても需要の落込みを和らげる働きが生じる。

この働きの名称と説明として正しいものを選べ。

  1. 公開市場操作 — 政府が失業給付を増やすたびに中央銀行が法律を改正する。
  2. 自動安定化装置 — 税や給付の制度が景気変動を緩和する方向に働く。
  3. 比較優位 — 所得が減った家計の消費が必ず増加し景気後退が消滅する。
  4. 完全雇用 — 税や給付がある経済では失業者が一人も発生しなくなる。
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正解:2.自動安定化装置 — 税や給付の制度が景気変動を緩和する方向に働く。

累進課税や失業給付などは、景気悪化時の所得や需要の減少を和らげる自動安定化装置として働く。ただし景気変動を完全になくす仕組みではない。

問24 · 第5問 政治・経済:金融・財政・暮らし(3点)

家計を支える制度の分類(編集部作成)

Pは保険料の負担などを基礎に、病気・老齢・失業などのリスクに備える。Qは生活に困窮する人に対して、税を財源に一定の要件の下で生活を保障する。

制度の対応として最も適切なのはどれか。

  1. Pは社会保険、Qは公的扶助に関わる。
  2. Pは公的扶助、Qは社会保険に関わる。
  3. PもQも、企業が任意に実施する株主への配当制度である。
  4. Pは金融政策、Qは民間企業間の価格協定である。
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正解:1.Pは社会保険、Qは公的扶助に関わる。

社会保険と公的扶助は、社会保障の中でも負担や給付の仕組みが異なる。社会保険にも公費負担がある場合があり、分類を財源の一語だけで単純化し過ぎないことが大切である。

問25 · 第5問 政治・経済:金融・財政・暮らし(3点)

働く人と交渉(創作)

労働条件について、一人では交渉しにくい労働者が集まり、使用者と話し合うことを考えた。生徒は憲法上の労働基本権との関係を調べた。

基本的な権利の組合せとして正しいものを選べ。

  1. 課税権・条約締結権・恩赦権。
  2. 選挙権・被選挙権・国民審査権。
  3. 所有権・抵当権・著作権。
  4. 団結権・団体交渉権・団体行動権。
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正解:4.団結権・団体交渉権・団体行動権。

憲法28条は勤労者の団結する権利や団体交渉その他の団体行動をする権利を保障する。個々の職種等の制度上の扱いには違いがあるため、ここでは基本的な権利の分類を問うている。

問26 · 第5問 政治・経済:金融・財政・暮らし(3点)

負担の偏りを読む(架空)

二つの家計は同じ種類の商品を同じ税込価格で購入する。単純化のため、表の消費税負担額はこの期間に実際に支払った税額とし、他の税や給付は考えない。

編集部作成の架空データ
家計期間中の所得消費税負担額
P20万円1万円
Q50万円1万円

所得に対する税負担の割合について正しいものを選べ。

  1. 両家計の納税額が同じなので、所得に対する負担割合も必ず同じである。
  2. 家計Pは2%、家計Qは5%であり、この資料では高所得の家計の負担割合が高い。
  3. 家計Pは5%、家計Qは2%であり、この資料では低所得の家計の負担割合が高い。
  4. この二家計の表だけで、あらゆる税と給付を含む最終的な再分配効果も確定できる。
正解・解説を見る

正解:3.家計Pは5%、家計Qは2%であり、この資料では低所得の家計の負担割合が高い。

Pは1÷20=5%、Qは1÷50=2%である。所得に対して低所得側の負担割合が高いという逆進性の観点に関わる。ただし他の税・給付を含めた全体の再分配効果は、この表だけでは分からない。

問27 · 第6問 政治・経済:国際社会と持続可能性(3点)

比較優位のモデル(架空)

同じ一単位の労働で生産できる量を示した。各国内で生産の振替えができ、費用は一定、輸送費などはないものとする。

編集部作成の架空データ
国米だけを作る場合布だけを作る場合
A8単位4単位
B3単位3単位

比較優位と交換条件について正しいものを選べ。

  1. Aは両財の生産量が多いため、Bはどの交換条件でも貿易の利益を得られない。
  2. Aは米、Bは布に比較優位があり、米4単位と布3単位の交換は両国に利益をもたらし得る。
  3. Aは布、Bは米に比較優位があり、米4単位と布3単位を交換すれば必ず両国とも利益を得る。
  4. 両国で生産可能量が異なれば、機会費用を計算せず比較優位は決定できる。
正解・解説を見る

正解:2.Aは米、Bは布に比較優位があり、米4単位と布3単位の交換は両国に利益をもたらし得る。

米一単位の機会費用はAが布0.5、Bが布1で、Aは米に比較優位を持つ。布はBに比較優位がある。米4と布3の交換なら、Aは自国内で布2相当の米4から布3を、Bは米3相当の布3から米4を得られる。

問28 · 第6問 政治・経済:国際社会と持続可能性(3点)

為替レートと輸入代金(架空)

商品代金は100米ドルで一定とする。為替レートが1米ドル100円から125円へ変化した。税・手数料や商品の価格変更は考えない。

円相場と円での代金について正しいものを選べ。

  1. 円安となり、円での代金は10,000円から12,500円へ25%増える。
  2. 円高となり、円での代金は10,000円から12,500円へ25%増える。
  3. 円安となり、円での代金は12,500円から10,000円へ20%減る。
  4. 米ドルの代金が同じなので、円での代金も必ず10,000円のままである。
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正解:1.円安となり、円での代金は10,000円から12,500円へ25%増える。

同じ米ドルを得るためにより多くの円が必要になっているので円安である。100×100=10,000円、100×125=12,500円で、増加率は2,500÷10,000=25%となる。

問29 · 第6問 政治・経済:国際社会と持続可能性(3点)

貿易のルールを考える(創作)

国際取引について、生徒は「外国の商品を差別的に扱う措置や貿易紛争を、共通のルールに基づいて検討する仕組みがある」と学んだ。

国際機関の役割の対応として最も適切なのはどれか。

  1. 国連安全保障理事会は、世界中の商品の関税率を日々一律に決定する。
  2. WTOは世界共通の選挙を実施し、IMFは各国の裁判所の最終審を担当する。
  3. IMFは労働基本権の条約だけを扱い、ILOは各国の為替介入をすべて直接実施する。
  4. WTOは貿易のルールを扱い、IMFは国際通貨協力や国際収支問題への支援などに関わる。
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正解:4.WTOは貿易のルールを扱い、IMFは国際通貨協力や国際収支問題への支援などに関わる。

WTOは貿易の国際的なルールを扱う。IMFは国際通貨協力や国際収支の問題への支援などを担い、ILOは労働に関わる国際的基準等を扱う。それぞれの機能を区別する。

問30 · 第6問 政治・経済:国際社会と持続可能性(3点)

経常収支の構成(架空)

経常収支を構成する四項目の収支を示した。プラスは黒字、マイナスは赤字とし、同じ単位で表している。

編集部作成の架空データ
項目収支
貿易収支+30
サービス収支−10
第一次所得収支+15
第二次所得収支−5

計算と項目の意味について正しいものを選べ。

  1. 経常収支はマイナス30で、サービス収支は株式売買代金だけを示す。
  2. 経常収支はプラス60で、第一次所得収支は財の輸出入だけの収支である。
  3. 経常収支はプラス30で、第一次所得収支には海外投資からの利子や配当などが含まれる。
  4. 貿易収支がプラス30なので、他の三項目を加えることは二重計算になる。
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正解:3.経常収支はプラス30で、第一次所得収支には海外投資からの利子や配当などが含まれる。

30−10+15−5=30である。第一次所得収支には利子や配当等の投資収益などが含まれる。貿易収支と経常収支は同じものではなく、他の構成項目も合わせて捉える。

問31 · 第6問 政治・経済:国際社会と持続可能性(3点)

平和と安全保障(編集部作成)

二つの構想を比較する。Pは国際社会で侵略などを共同で抑え、平和を守る仕組みを重視する。Qは特定の国々が、加盟国への武力攻撃に対して共同で防衛する仕組みを重視する。

P・Qの概念の対応として最も適切なのはどれか。

  1. Pは集団防衛、Qは集団安全保障に関わる。
  2. Pは集団安全保障、Qは集団防衛に関わる。
  3. PもQも、国際協力を一切行わない孤立主義を意味する。
  4. Pは自由貿易、Qは保護貿易の経済的な分類を意味する。
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正解:2.Pは集団安全保障、Qは集団防衛に関わる。

集団安全保障は国際社会全体の平和への脅威などに共同で対処する考え方であり、特定の同盟国の防衛を基礎とする集団防衛と区別する。現実の制度や行動の評価には具体的な条件の検討が必要である。

問32 · 第6問 政治・経済:国際社会と持続可能性(4点)

排出削減費用の比較(架空モデル)

企業A・Bはそれぞれ4単位ずつ排出している。排出総量を8から4へ減らす。削減費用は表のとおりで、一単位ごとの費用は一定、各社は最大4単位まで削減できる。排出枠の取引に費用はかからず、枠の代金は企業間の移転なので総削減費用には含めない。

編集部作成の架空データ
企業一単位の削減費用
A2,000円
B8,000円

両社が2単位ずつ削減する場合と、Aが4単位を削減しBは削減せず排出枠を得る場合の比較として正しいものを選べ。

  1. 総排出量はいずれも4単位で、総削減費用は20,000円から8,000円へ減る。
  2. 総排出量はいずれも8単位で、総削減費用は8,000円から20,000円へ増える。
  3. 総排出量を4単位に保つには、各社が必ず同じ量を削減しなければならない。
  4. 枠の取引を認めると削減費用を比較できなくなり、総量の上限も必ずなくなる。
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正解:1.総排出量はいずれも4単位で、総削減費用は20,000円から8,000円へ減る。

各社2単位ずつなら2×2,000+2×8,000=20,000円、Aのみ4単位なら4×2,000=8,000円である。削減の合計はどちらも4単位となる。総量の条件を保ちつつ費用の低い削減へ配分する仕組みを考えるモデルである。

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