はじめに ― 会社四季報ってなに?
年4回(3・6・9・12月)発売される、東洋経済新報社が発行する上場企業すべての業績・財務・株価データを収録した「投資家のバイブル」です。
全上場企業を網羅
日本の上場企業 約4,000社すべての情報が一冊に。どの業界のどんな会社でも調べられます。
独自の業績予想
約100名の記者が取材して算出する「四季報独自予想」が最大の価値。会社発表の予想と比較して使います。
1ページ=1社
1社あたり約1ページに、特色・業績・財務・株価まで凝縮。決まった型を覚えれば、1分で全体像がつかめます。
年4回の定点観測
春夏秋冬4回発行。継続して読むことで業績トレンドや記者コメントの変化が見えてきます。
ページの読み方 ― 各欄をクリックして学ぼう
下は会社四季報1ページ分の模式図です。黄色い枠の欄をクリックすると、その欄の読み方が下のパネルに表示されます。
サービス 30(8%)、その他 15(5%)
【海外】42%
| 売上高 | 1,200億 |
| 営業利益 | 120億 |
| 経常利益 | 125億 |
| 純利益 | 85億 |
| EPS | 170円 |
| 総資産 | 1,500億 |
| 自己資本 | 900億 |
| 自己資本比率 | 60% |
| 有利子負債 | 100億 |
| ROE | 10% |
| 営業CF | +150億 |
| 投資CF | -80億 |
| 財務CF | -40億 |
| 現金同等物 | 300億 |
| 株価 | 2,500円 |
| PER | 14.7倍 |
| PBR | 1.3倍 |
| 配当利回り | 2.4% |
| 時価総額 | 1,250億 |
②日本マスター信託 8.5%
③自社 5.0%
浮動株 35%
外国人持株 22%
安値 1,950円
52週レンジ表示
上のサンプルページから、読み方を知りたい欄をクリックしてください。
必ず押さえる財務指標 ベスト6
初心者がまず覚えるべき、株価と財務の「体温計」のような指標6つです。
PER
株価が「1株あたり利益の何年分か」を示す。割安・割高の最も基本的な尺度。
PBR
会社の「解散価値」に対して株価が何倍か。1倍が理論上の底値とされる。
ROE
株主のお金をどれだけ効率よく利益に変えているか。「稼ぐ力」の代表指標。
自己資本比率
会社の「財務の安全性」を示す指標。高いほど借金が少なく倒産しにくい。
配当利回り
株を買って1年間保有したときの「お小遣い」の割合。インカムゲインの指標。
営業CF
利益は「計算上の数字」だが、CFは「実際のお金の流れ」。継続的にプラスが理想。
銘柄スクリーニング ― 四季報から宝物を探す手順
「四季報を眺めて有望銘柄を見つける」ための、初心者でも実践できる5ステップ。上級者もこれをベースに独自の条件を足していきます。
ニコニコマークで絞る
見開きページの右上の顔マーク。四季報予想が会社予想を上回っている銘柄(☺☺や☺マーク)は、業績上振れ期待のサイン。まずここで流し読みして候補を拾います。
業績の「連続増収増益」をチェック
過去3〜5年、そして予想2年分。売上・営業利益とも右肩上がりの会社は、商品力・需要が強い証拠。数字の傾向だけ見ればOKです。
財務の健全性を確認
せっかく儲かっていても、借金だらけでは危険。自己資本比率40%以上、有利子負債が少ないことを確認。キャッシュフロー欄で営業CFがプラスかも必ずチェック。
バリュエーション(割高・割安)を見る
PERとPBRで株価水準を判定。成長企業でPER20倍未満なら妙味あり。成熟企業でPER10倍台・PBR1倍前後なら割安候補。同業他社比較を忘れずに。
記者コメント&【】見出しを熟読
最後にページ左上の記者コメント。【最高益】【独自増額】などの前向きな見出しがあれば買い材料。逆に【下振れ】【赤字】があれば慎重に。この「数文字の見出し」が四季報の神髄です。
業績予想の読み解き方 ― ここが四季報の真骨頂
業績欄には「会社発表の予想」と「四季報独自予想」が並びます。この2つのズレを読むのが、ベテラン投資家の楽しみ方。
1. 会社予想 vs 四季報予想
四季報予想は取材と分析の末の独自数値。会社予想より高い=記者はもっと稼ぐと見ている、低い=保守的に見ているということ。このズレを視覚化したのが「ニコニコマーク」です。
| マーク | 意味 | 四季報予想 vs 会社予想 |
|---|---|---|
| ☺☺ | 大幅強気 | 30%以上上回る |
| ☺ | 強気 | 5〜30%上回る |
| → | ほぼ一致 | ±5%以内 |
| ↘ | 弱気 | 5〜30%下回る |
| ↘↘ | 大幅弱気 | 30%以上下回る |
2. 【見出し】の独自用語を理解する
四季報で最も有名な文化、それが冒頭の2〜4文字の【見出し】です。記者が状況を一言で要約したもの。
【最高益】
過去最高の利益を更新する見込み。強気材料の代表。
【独自増額】
会社予想より四季報が高く予想。記者取材の結果の強気サイン。
【連続増配】
何年も連続で配当を増やしている。株主還元に積極的。
【反落】
前期の好業績から今期は減益へ。一時的か構造的かの見極めが大事。
【赤字】
純利益が赤字の見込み。理由を確認、一時要因か本業悪化か。
【再編】
事業再編・構造改革中。中長期の回復を見込む投資に適す。
3. セグメント情報から「稼ぎ頭」を知る
「連結事業」欄には、事業別の売上構成比と営業利益率(カッコ内)が書かれています。利益率が最も高い事業が、その会社の真の稼ぎ頭。売上が大きくても赤字の事業を抱えていないかもチェック。
理解度クイズ ― 全5問
ここまでの内容を確認する簡単なクイズです。気軽にチャレンジしてみましょう!
用語集 ― 四季報によく出る20語
知らない用語が出てきたら、まずここでチェック。
- EPS
- 1株あたり純利益。純利益÷発行株数
- BPS
- 1株あたり純資産。解散時の理論株価
- 連結
- 子会社を含めたグループ全体の業績
- 単独
- 親会社だけの業績
- 営業利益
- 本業で稼いだ利益
- 経常利益
- 営業利益+営業外損益
- 純利益
- 税金などを引いた最終利益
- 売上高営業利益率
- 営業利益÷売上高。効率性の指標
- 総資産
- 会社が持つ全資産(自己資本+負債)
- 有利子負債
- 利息を払う借金
- 浮動株
- 市場で実際に売買される株
- 時価総額
- 株価×発行株数。会社の市場価値
- 配当性向
- 純利益のうち配当に回す割合
- 増収
- 売上が前期より増えること
- 増益
- 利益が前期より増えること
- 上方修正
- 予想を上げる発表
- 下方修正
- 予想を下げる発表
- 自社株買い
- 会社が自分の株を市場から買う(株主還元の一種)
- 配当利回り
- 配当÷株価。持っているだけで得られる利回り
- 四半期
- 3ヶ月。四季報は四半期ごとに発行