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共通テスト模試 地理総合・地理探究 第1回・問題と解説

問1:地図上の直線距離が4cmだった。実際の直線距離として正しいものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

地図の縮尺は1:25,000。A地点とB地点の地図上の直線距離を測ると4cmだった。

  1. 1km
  2. 100m
  3. 10km
  4. 100km
正解と解説

正解:1.1km

縮尺1:25,000では地図の1cmが実際の250mに当たる。4cmは1,000m、すなわち1km。道に沿った移動距離と直線距離は区別する。

問2:同じ瞬間の日本標準時として正しいものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

協定世界時(UTC)が6月1日12時のときを考える。日本標準時の基準となる経線は東経135度。夏時間は考慮しない。

  1. 同日の3時
  2. 同日の12時
  3. 翌日の9時
  4. 同日の21時
正解と解説

正解:4.同日の21時

地球は24時間で360度自転するので経度15度で1時間。東経135度を基準とする日本標準時はUTCより9時間進んでいる。

問3:図の地形と説明から、AとBについて適切に比較したものを選べ。

河川沿いの模式図(架空地域・高さと幅は模式的)

断面模式図。中央の川沿いの微高地Aと、その外側に広がる低地B。

A:河道沿いの微高地。B:その背後にある低く湿った土地。実在の地域のハザードマップではない。

  1. AとBは同じ高さなので、地形を調べる意味はない。
  2. Aは自然堤防上にあるので、どの規模の洪水でも必ず浸水しない。
  3. Aは周辺より高い自然堤防、Bは低い後背湿地に当たり、水害の傾向が異なりうる。
  4. Bは川から離れているので、洪水の影響を一切受けない。
正解と解説

正解:3.Aは周辺より高い自然堤防、Bは低い後背湿地に当たり、水害の傾向が異なりうる。

自然堤防は河道沿いの微高地で、その背後に低湿な後背湿地が見られる。高低差は浸水傾向を考える手掛かりだが、安全を保証するものではない。実地域では想定条件や堤防なども確認する。

問4:高齢者が医療機関へ通いやすい地域を調べるため、GISで重ねる情報として最も適切な組合せを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒:地理情報システム(GIS)で複数の情報を重ね合わせ、高齢者が医療機関へ移動する際の地域差を調べたい。

  1. 都道府県名の一覧・国旗の色・山の標高順位
  2. 年齢別人口の分布・医療機関の位置・道路や公共交通の経路
  3. 病院の名称だけ・世界の言語数・海洋の水深
  4. 市の面積だけ・国内総生産の全国合計・過去の元号
正解と解説

正解:2.年齢別人口の分布・医療機関の位置・道路や公共交通の経路

利用者の分布、施設の位置、移動経路を重ねてアクセスを検討する。直線距離だけでは橋や坂、交通手段などの条件を捉えられない。

問5:二つの画像から読み取れることと、追加調査の必要性について適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

同じ地域・同じ季節の衛星画像を比較した。20年前に農地だった場所の一部が、現在は住宅や道路になっている。

  1. 建物が増えた画像だけで、住民全員の所得上昇を証明できる。
  2. 土地被覆の変化を把握し、その原因は現地記録などでも調べる。
  3. 画像の違いはすべて季節の違いなので、都市化は調べられない。
  4. 住宅の増加だけで、移住者の出身国をすべて特定できる。
正解と解説

正解:2.土地被覆の変化を把握し、その原因は現地記録などでも調べる。

同じ季節・範囲の画像の比較は土地被覆の変化の把握に役立つ。一方、人口移動の理由や所得などを画像だけで確定することはできない。

問6:表から正しく読み取れるものを選べ。

架空の2か国の輸出(同年・同一通貨単位の学習用データ)

国輸出総額(億単位)工業製品の割合
A10080%
B30030%
  1. 工業製品の輸出額は、A国80億単位、B国90億単位である。
  2. 工業製品の輸出額は、割合が高いA国の方が必ず大きい。
  3. B国の工業製品輸出額はA国の2倍である。
  4. この表だけで、両国の一人当たり所得を計算できる。
正解と解説

正解:1.工業製品の輸出額は、A国80億単位、B国90億単位である。

工業製品の輸出額は総額×構成比で計算する。Aは100×0.8=80、Bは300×0.3=90。構成比だけの大小と実額の大小は一致しない。

問7:調査のまとめとして最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒たちは地域調査で、洪水と土砂災害のハザードマップを比べ、避難場所までの経路を歩いて点検する計画を立てた。これは調査手順を考える学習用の場面である。

  1. 避難所の建物が近ければ、災害の種類に関係なく必ず安全である。
  2. 一度調べたら、道路や施設の変化を確認する必要はない。
  3. 洪水と土砂災害の想定区域は常に完全に同じである。
  4. 災害の種類ごとに想定を確かめ、地形や経路、施設の指定を照合する。
正解と解説

正解:4.災害の種類ごとに想定を確かめ、地形や経路、施設の指定を照合する。

災害の種類によって危険箇所や避難場所の条件は異なる。地域調査では想定条件・地形・経路などを照合し、施設や道路の変化も確かめる。

問8:水利用の課題を検討する調査として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

ある地域では雨季の洪水と乾季の水不足が課題となり、農業・工業・生活用水の配分が議論されている。生徒たちは地域に合う対策を提案したい。

  1. 年間降水量だけを見て、地域内のすべての人が同じ条件で水を使えると決める。
  2. 住民の意見を聞かず、単一の利用者の希望だけで結論を出す。
  3. 季節ごとの水量・用途別の需要・利用者の意見を比較する。
  4. 行政区画の面積が同じ地域には、必ず同じ対策を当てはめる。
正解と解説

正解:3.季節ごとの水量・用途別の需要・利用者の意見を比較する。

供給の季節差、農業・工業・生活の需要、利用者の立場を合わせて調べる。地域の課題は複数の指標や利害関係から考える必要がある。

問9:AとBの斜面の傾きについて正しいものを選べ。

同じ標高差の2つの斜面(学習用データ)

斜面標高差水平距離
A100m1,000m
B100m500m
  1. 水平距離が長いAの方が必ず急である。
  2. 標高差が同じなら、水平距離に関係なく傾きは同じである。
  3. 同じ標高差では、水平距離が短いBの方が急である。
  4. 水平距離から標高差を差し引けば、斜面の傾きが角度で求まる。
正解と解説

正解:3.同じ標高差では、水平距離が短いBの方が急である。

傾きは標高差と水平距離の関係で判断できる。Aは100/1,000=0.1、Bは100/500=0.2でBの方が急。等高線間隔の狭さとも対応する。

問10:地形とプレート運動の組合せとして適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒:世界の地震・火山の分布図にプレート境界を重ねると、地震や火山が多い帯状の地域が見られた。海溝と海嶺ができる仕組みを整理したい。

  1. 海嶺―大陸プレート同士が衝突して必ず沈み込む境界
  2. 海溝―海洋プレートが沈み込む境界
  3. 海溝―プレートが左右に離れて新しい海洋底ができる境界
  4. 海嶺―すべてのプレート運動が止まる場所
正解と解説

正解:2.海溝―海洋プレートが沈み込む境界

海洋プレートが沈み込む境界には海溝などが、プレートが離れる海底には海嶺などが発達する。プレート境界の性質と地形を対応させる。

問11:グラフから読み取れる特徴として最も適切なものを選べ。

月別気温・降水量(編集部作成の学習用モデル。実測値ではない)

0501001500102030123456789101112降水量 mm(左軸・棒)気温 ℃(右軸・線)月
グラフの数値
月気温(℃)降水量(mm)
1890
2980
31265
41545
51925
62310
7265
8268
92235
101875
1113100
129110
  1. 北半球の夏に高温で乾燥し、冬に降水が多い地中海性気候の特徴がある。
  2. 一年を通して気温が氷点下になる寒帯の特徴がある。
  3. 夏の降水量が冬より大きく、明瞭な雨季が夏にある。
  4. 年較差がなく、毎月の降水量も同じである。
正解と解説

正解:1.北半球の夏に高温で乾燥し、冬に降水が多い地中海性気候の特徴がある。

気温は7〜8月に高く、降水は夏に少なく冬に多い。この季節変化は地中海性気候の代表的な特徴。ただし学習用モデルであり、実在の観測所の値ではない。

問12:モンスーンと生活の関係について、適切な説明を選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

南アジアのある地域では、海からの湿った風が吹く時期に雨が多くなる。農家は雨の始まる時期を意識して農作業を進め、乾燥する時期には貯水や灌漑を利用する。

  1. モンスーン地域では一年中どの場所でも同じ量の雨が降る。
  2. 季節風は季節によって風向が変わらない風だけを指す。
  3. 降水の季節差は、灌漑や貯水を考える際には無関係である。
  4. 季節による風向と降水の変化が、農業の作業時期や水利用に関わる。
正解と解説

正解:4.季節による風向と降水の変化が、農業の作業時期や水利用に関わる。

モンスーンは季節によって風向が変わる風。降水の季節差は農事暦や灌漑などに関わる。地域内でも地形などによる差がある。

問13:資料を踏まえた説明として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒:西ヨーロッパの大西洋沿岸には、同緯度の大陸内陸部などと比べて冬が温和な地域がある。緯度だけでは説明できない条件を考えたい。

  1. 同じ緯度なら、気温と降水量は世界中で必ず一致する。
  2. 西ヨーロッパの冬が比較的温和なのは、すべて赤道直下にあるからである。
  3. 海流は沿岸の気候に影響しないので、比較から除外する。
  4. 偏西風や北大西洋の暖流など、緯度以外の条件も関わる。
正解と解説

正解:4.偏西風や北大西洋の暖流など、緯度以外の条件も関わる。

気候は緯度だけでなく海陸分布、海流、風、標高などの影響を受ける。西ヨーロッパでは暖流と偏西風が冬の温和さに関わる。

問14:A・Bの自然植生の組合せとして最も適切なものを選べ。

2地域の気候の特徴(模式的な分類)

地域気温降水
A一年を通して高い一年を通して多い
B一年を通して高い明瞭な雨季・乾季がある
  1. A=ツンドラ、B=熱帯雨林
  2. A=サバナ、B=氷雪に覆われた地域
  3. A=熱帯雨林、B=サバナ
  4. A=針葉樹林、B=ツンドラ
正解と解説

正解:3.A=熱帯雨林、B=サバナ

高温で通年湿潤な条件では熱帯雨林、明瞭な雨季・乾季がある熱帯ではサバナが代表的。実際の植生は人間活動や土壌などでも変わる。

問15:自然条件と農業の関係について適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒:作物の分布図と気温・降水の地図を比べた。しかし雨の少ない地域にも灌漑を利用した農地がある。自然条件と技術の両方から調べたい。

  1. 稲作は降水量が少ない地域では灌漑を使っても一切行えない。
  2. 温暖で水を確保しやすい条件は稲作に適するが、技術や市場なども立地に関わる。
  3. 農業の種類は気温だけで決まり、労働力や市場は関係しない。
  4. 小麦は世界中で水田に常時水を張って栽培される。
正解と解説

正解:2.温暖で水を確保しやすい条件は稲作に適するが、技術や市場なども立地に関わる。

稲作は温暖さや水の確保が重要。灌漑や品種、労働力、政策・市場も考慮する必要があり、自然条件だけで農業を決め付けない。

問16:地域ごとの生産・流通を調べる際の視点として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

熱帯のある地域で輸出用作物の栽培が拡大した。生徒たちは、生産量だけでなく、働く人の収入や地域の食料供給も調べることにした。

  1. 輸出用作物の生産が、雇用・収入と食料供給の両方にどう影響するか比較する。
  2. 輸出額が増えれば、地域内のすべての家庭の食料事情は必ず改善する。
  3. 生産物の用途や土地利用を調べず、収穫量だけで生活を判断する。
  4. 農産物の国際価格の変化は、生産者の収入に一切関係しない。
正解と解説

正解:1.輸出用作物の生産が、雇用・収入と食料供給の両方にどう影響するか比較する。

商品作物の生産には雇用や外貨獲得の面がある一方、価格変動や土地利用などの課題もある。単一指標だけで地域の生活を評価しない。

問17:総発電量と電源構成を区別して読んだ説明として正しいものを選べ。

架空の2か国の発電(同年、総量の単位は共通)

国総発電量再生可能エネルギーの比率
A10040%
B30020%
  1. 再生可能エネルギーによる発電量は、A国40、B国60の同じ単位である。
  2. 再生可能エネルギーの比率が高いA国は、発電量も必ずB国より多い。
  3. B国の再生可能エネルギーの比率はA国の2倍である。
  4. この表だけで、各電源の建設費を計算できる。
正解と解説

正解:1.再生可能エネルギーによる発電量は、A国40、B国60の同じ単位である。

総発電量に構成比を掛けるとAは100×0.4=40、Bは300×0.2=60。比率と実量を区別する。ここでは水力を含む再生可能エネルギーとする。

問18:持続可能な電力供給を考える説明として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

ある地域が太陽光・風力発電を増やす計画を立てた。担当者は、天候ごとの発電量と、家庭・工場が使う電力の時間帯別データを比較している。

  1. 太陽光発電の発電量は、夜間も昼間も必ず同じである。
  2. 風力発電は風の強さに関係なく、常に一定量を発電する。
  3. 設備容量が同じなら、気象条件に関係なく年間発電量は必ず一致する。
  4. 発電の変動と需要を照合し、送電・蓄電・他電源との組合せを検討する。
正解と解説

正解:4.発電の変動と需要を照合し、送電・蓄電・他電源との組合せを検討する。

太陽光や風力の発電量は日照・風などで変わる。設備容量だけで実際の発電量は決まらず、系統や蓄電なども含めて考える必要がある。

問19:工場の移転を説明するための調査として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒:同じ企業でも、研究開発拠点と組立工場の立地が異なる。自動車産業を例に、その理由を調べたい。

  1. 緯度が同じかどうかだけで、工場の移転理由をすべて説明する。
  2. 国土面積が大きい国には、必ずすべての工場が集まると仮定する。
  3. 部品供給網・輸送費・労働力・市場への距離を比較する。
  4. 製品の需要や物流を調べず、都市名の語源だけを比較する。
正解と解説

正解:3.部品供給網・輸送費・労働力・市場への距離を比較する。

工業立地には輸送費、労働力、部品供給、需要地、政策などが関わる。産業の種類や生産工程によって重視する条件も変わる。

問20:生産ネットワークの説明として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

架空の製品の流れ:A国で設計 → B国・C国で部品生産 → D国で組立 → 複数の国へ販売。ある部品の出荷が止まると、D国で組立が遅れた。

  1. 国際分業が進むと、どの地域でも部品を必ずすべて自給できる。
  2. 国境を越える分業が進むと、一地域の供給停止が他地域の生産にも影響しうる。
  3. 完成品の輸出国だけを見れば、部品の供給国を調べる必要はない。
  4. 部品は運ばれないので、港湾や航空路は製造業と無関係になる。
正解と解説

正解:2.国境を越える分業が進むと、一地域の供給停止が他地域の生産にも影響しうる。

生産工程が国境を越えて結び付くと、供給の遅れが他地域にも波及しうる。完成品の貿易額だけでなく、中間財の流れにも注目する。

問21:人口構成の比較として正しいものを選べ。

架空の地域の年齢別人口構成(合計100%)

地域0〜14歳15〜64歳65歳以上
A30%65%5%
B10%60%30%
  1. AとBでは老年人口の実数が必ず同じである。
  2. Aは年少人口比率が高く、Bは老年人口比率が高い。
  3. Bは年少人口比率がAより高い。
  4. 年齢別の構成比だけで、両地域の総人口の大小が分かる。
正解と解説

正解:2.Aは年少人口比率が高く、Bは老年人口比率が高い。

Aの年少人口比率は30%、Bの老年人口比率は30%。構成比だけでは人口の実数は比較できない。教育や医療などの需要を考える際には総数も必要。

問22:人口変化の説明として適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

ある市では出生数が死亡数を下回っている一方、他地域から転入する人もいる。生徒たちは、人口全体が増えるか減るかを調べたい。

  1. 出生・死亡と、転入・転出の両方を分けて調べる。
  2. 人口が減れば、転入した人は必ず0人である。
  3. 出生数だけで、地域人口の増減を必ず決定できる。
  4. 転入・転出は人口の変化に一切関係しない。
正解と解説

正解:1.出生・死亡と、転入・転出の両方を分けて調べる。

人口変化は自然増減と社会増減に分けて考える。同時に転入があっても、死亡や転出が多ければ人口は減ることがある。

問23:都市への移動と居住の問題を調べる視点として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

ある大都市では雇用が集まる中心部の住宅費が高く、郊外から通勤する人も多い。地区によって公共交通や上下水道の整備状況が異なる。

  1. 都市に移住した人は全員、同じ職業と同じ所得になると決める。
  2. 住宅費の差は、居住地の選択には一切関係しない。
  3. 人口密度だけで、すべての地区の生活条件が同じだと判断する。
  4. 雇用・住宅費・交通・サービスへのアクセスを関連付ける。
正解と解説

正解:4.雇用・住宅費・交通・サービスへのアクセスを関連付ける。

都市への人口集中には雇用などの吸引要因があり、居住には住宅費や交通条件が関わる。都市内の地区差や人々の立場も考える。

問24:交通計画の判断として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

同じ駅から二つの施設へ移動する。施設Aは直線距離が近いが、川を渡る橋まで迂回する必要がある。施設Bは直線距離が遠いが、駅から直通バスがある。

  1. 川の対岸にあっても、直線距離が最短なら必ず最速で到達できる。
  2. 時刻表と乗換えは、公共交通による到達時間に関係しない。
  3. 直線距離の短さだけでなく、橋や道路、運行頻度を含む移動時間を比較する。
  4. すべての道路の走行速度と混雑状況は常に同じである。
正解と解説

正解:3.直線距離の短さだけでなく、橋や道路、運行頻度を含む移動時間を比較する。

地図上の直線距離と実際の到達時間は異なる。河川・橋・道路・運行頻度などを考慮したアクセスの評価が必要。

問25:地域比較の方法として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒:地域の特色を国別の平均値で比較していたが、同じ国でも沿岸部と内陸部で産業や人口集中に違いがあると気付いた。

  1. 国境の内側はすべて同じ自然条件・同じ生活様式だと決める。
  2. 公用語が同じ国は、所得や人口構成も必ず同じである。
  3. 国別統計に加え、地域内の産業・民族・生活などの差にも注目する。
  4. 一つの都市の観察結果を、そのまま大陸全体に当てはめる。
正解と解説

正解:3.国別統計に加え、地域内の産業・民族・生活などの差にも注目する。

国単位の集計は便利だが国内の地域差を隠すこともある。目的に合う空間的な範囲を設定し、複数のスケールで比較する。

問26:この課題を考察する説明として適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

西アジアの一部の沿岸都市では、海水淡水化を利用しながら都市の水需要に対応している。生徒たちは、乾燥した自然環境と都市生活の関係を調べたい。

  1. 石油資源のある国には、必ず水不足の問題が存在しない。
  2. 乾燥への対応と都市の発展を、水資源・エネルギー・財政などの関係から考える。
  3. 海水淡水化には設備もエネルギーも一切必要ない。
  4. 同じ西アジアの地域では、資源や所得の条件は必ず同じである。
正解と解説

正解:2.乾燥への対応と都市の発展を、水資源・エネルギー・財政などの関係から考える。

乾燥地域の水利用には地下水、貯水、海水淡水化などがある。資源・技術・資金や需要を関連付け、地域差を踏まえて考察する。

問27:地域の農業を説明するための組合せとして適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

北アメリカの農業を調べると、大規模な機械化農業が見られる地域がある。生徒たちは、地形だけでなく生産・輸送・販売の仕組みも調べることにした。

  1. 自然条件に加え、機械化・農地規模・輸送と市場の条件を調べる。
  2. 平原であることだけで、世界の全農家が同じ作物を栽培すると判断する。
  3. 農業の輸出には、鉄道・港湾・貯蔵施設は一切関わらない。
  4. 国土が広い国では、どの場所でも必ず同じ農業が行われる。
正解と解説

正解:1.自然条件に加え、機械化・農地規模・輸送と市場の条件を調べる。

農業地域の形成には自然条件と経済・技術・流通条件がともに関わる。同じ国でも乾湿や気温、市場までの距離などが異なる。

問28:域内の結び付きを調べる問いとして最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

ヨーロッパの国境地域で、隣国へ通勤する人や国境を越えて部品を運ぶ企業が見られる。地域統合と人・物の移動を調べたい。

  1. EUのすべての加盟国が、同じ言語と同じ産業構造を持つ理由は何か。
  2. EUに属すれば、域内のすべての地域差が自動的に消える理由は何か。
  3. EUの加盟と共通通貨の導入が、必ず同時に同じ国で起こる理由は何か。
  4. 国境を越える通勤・物流や制度の違いが、地域の結び付きにどう関わるか。
正解と解説

正解:4.国境を越える通勤・物流や制度の違いが、地域の結び付きにどう関わるか。

地域統合は移動や市場の結び付きに関係するが、言語・産業・所得などの地域差は残る。EU加盟国とユーロ導入国は同じ範囲ではない。

問29:資料を使う際の注意として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒:二つの資料で同じ都市の人口が大きく違った。片方は市域の人口、もう片方は周辺を含む都市圏の人口だった。年次も異なっていた。

  1. 都市圏と市域は常に一致するので、そのまま順位だけ比較する。
  2. 異なる年の統計でも、人口変化を考慮せず同時点の値として扱う。
  3. 出典が異なれば、定義を確認する必要はなくなる。
  4. 統計の年次・範囲・定義をそろえ、比較できる条件を確かめる。
正解と解説

正解:4.統計の年次・範囲・定義をそろえ、比較できる条件を確かめる。

行政上の市域と、通勤などのつながりから定める都市圏では集計範囲が異なる。同じ語でも定義や年次を確認する必要がある。

問30:図表から読み取れる観光の特徴として正しいものを選べ。

架空の観光地の季節別来訪者数(万人)

観光地春夏秋冬
A2060155
B25252525
  1. Aの年間客数は、Bの2倍である。
  2. Bには観光客が存在しない季節がある。
  3. Aは季節による変動がBより大きく、繁忙期・閑散期への対応が課題となりうる。
  4. この表だけで、観光客一人当たりの支出額を計算できる。
正解と解説

正解:3.Aは季節による変動がBより大きく、繁忙期・閑散期への対応が課題となりうる。

AもBも年間合計は100万人。Aは夏60万人・冬5万人と季節差が大きい。客数と消費額、雇用などは別の指標として調べる。

問31:文化の分布を調べる説明として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒:国別に公用語を色分けした地図と、家庭で使う言語の地域別調査を比べた。同じ国の中でも複数の言語が使われる地域が見られた。

  1. 一つの国に住む人々は、全員が必ず同じ言語だけを使う。
  2. 国境と、言語や宗教などの文化の分布が一致するとは限らない。
  3. 同じ言語を使う人々は、全員が必ず同じ国籍を持つ。
  4. 文化の分布は地図に示せば変化しなくなる。
正解と解説

正解:2.国境と、言語や宗教などの文化の分布が一致するとは限らない。

国境を越えて言語や宗教が広がる一方、一国内にも文化の多様性がある。分布図の分類・集計単位と人々の実際の暮らしを区別する。

問32:地域課題の提案をまとめる手順として最も適切なものを選べ。

資料・調査メモ(編集部作成)

生徒たちは公共交通の改善案を考え、人口分布・利用実績・運行費を調べた。高齢者、通学生、事業者などから異なる意見が出された。

  1. 調査結果を複数の立場から照合し、効果や負担を検討して提案を見直す。
  2. 最初に思い付いた案に合う資料だけを集め、反対する意見は除く。
  3. 一度提案した内容は、追加データが得られても変えない。
  4. 地域ごとの条件を調べず、どの地域にも同じ計画を当てはめる。
正解と解説

正解:1.調査結果を複数の立場から照合し、効果や負担を検討して提案を見直す。

探究は問いの設定、資料収集・分析、考察・提案の過程を往復する。自説に反する資料や利害の異なる人々の意見も検討し、提案の妥当性を高める。